タカシ

ゴジラ-1.0のタカシのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.9
『続編は「ゴジラ−2.0」(嘘)』


(以下の文章は公開当時に書かれたものですが、この評価が24年4月現在においても変化がない事を表明しておきます)

いきなりで申し訳ないのだが、私は「SPACE BATTLESHIP ヤマト」が嫌いである。嫌悪している。映画史における黒歴史だと思っている。
その後「寄生獣(前後編)」は観たものの(当時はあれがヤマトの監督作品だとは知らなかった)、その前も後もなるべく山崎貴には近寄らないで生きてきた。

その山崎貴がゴジラを撮るという。「シン・ゴジラ」から、もっと言えばハリウッド版「ゴジラ」から、ゴジラというIPは一つ格が上がった。
より正確に言うとゴジラをCGにすることによって特撮シーンのハードルが格段に上がった。

本作はその点シンゴジと同じ白組がCGを担当すると聞いて期待値が上がるもの(予告編も素晴らしかった)の、脚本も山崎貴が担当すると聞いて期待値はまさに「マイナスワン」くらいな状態で観に行った。

結論から言うとゴジラの出るシーンはとても良かった。銀座襲撃のシーンは劇場の重低音の音響も相まって、トリハダが止まらなかったくらいだ。

ただこのゴジラシーンの最中にですらキャラクターは登場する。セリフを話す。

このゴジラ以外のシーンは私には駄目だった。
言わずもがなの事をいちいち口にするキャラクターたち。段取りの稚拙さ。オーバーなセリフやリアクション。終わりの方で割と本気で「あれ、なんか佐々木蔵之助、下手くないか?」とリアルに感じた。

整備士探しからの震電周りのストーリーはもう少し上手く見せれるだろうと思わずにはいられなかった。

主人公敷島の辛気臭さにもなかなか耐え難いものがあった。。
ゴジラは都合三つのシークエンスに(冒頭を含めると四つ)しか出なかったので、全体的に敷島を追ってストーリーを体験することになる、これは結構つらかった。

ご贔屓浜辺美波はとても美しかったんだけどね。
54年のオリジナルゴジラのオマージュシーンに浜辺美波がいるのがちょっと邪魔に感じたのは秘密です。

ただ世間ではなかなか評判がいいのを聞いて「やはり怪獣映画は怪獣見てナンボ」ってことなんだなと感じ、またそれも正しい評価なんだと思っているところです、はい。

結末の結末はいつものゴジラらしいっちゃらしいんだけど、ほら山崎貴って続編撮ることに特にテライみたいなのないからさ。
シン・ゴジラと続けて日本版ゴジラが当たっちゃあ、とりあえずは山崎貴に続編監督の話いくんじゃないの?と思わずにはいられんのですよ。

とりあえずゴジラは泳ぎ(立ち泳ぎ含む)がお上手ということで。
劇場にて。23.11.07
2023#010
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