あえて戦後間もない1947年を舞台にしたのは大正解だった。
悲惨な戦争が終わり、ようやく日本がこれから復興への希望を見出だした矢先に現れたゴジラをハイテクではなくローテクで迎え撃つ姿に心打たれた。
昭和の戦後ドラマとしての見応えも充分あって、サバイバーズ・ギルトに苛まれる神木隆之介の熱演も胸に刺さる。
ミリタリーファンにはたまらないディテールで、やはり山崎監督の過去作『永遠の0』や『アルキメデスの大戦』のよかったところがしっかり活かされている。
追記
私事だが、明日引っ越しをする。いまの部屋は6年3ヶ月暮らした私の大切な映画基地だったが、解体し、映画グッズやフィギュア、パンフレット、Blu-rayコレクションはすべて箱に詰めた。
この部屋で観た映画はフィルマークスを始めた頃の2019年より以前のものも含めると1000本を越える。
そして本作『ゴジラ-1.0』がこの部屋で観る最後の映画となった。
新生活が楽しみな反面、やはり不安は募る。住み慣れた街を離れる一抹の寂しさが胸を締め付けるが、映画に囲まれたこの部屋で暮らした日々は私にとって本当にかけがえのない時間であり、最高に楽しかった。
2024.46