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ゴジラ-1.0のkissenger800のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
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ゴジラに蹂躙される世界を見てどこか胸がすく心の動き、トランプに蹂躙されるUS国家にザマあねえ天罰が下ってるんだ、みたいなことを思うUS国民の感慨と同じでは。
……って比喩だと分かりにくい各位向けに言い換えるなら、今の日本社会の惨憺たるテイタラクを招いた与党および第二与党群支持者の根底にあるの、要は「俺より幸せそうな世界をいっそめちゃめちゃにしてくれ」願望よね? ゴジラにめちゃめちゃにされるフィクション世界を愛でる心理、民主主義社会を壊されても壊されても与党に投票する有権者のそれにあまりに近く、イヤん。ってなったんです。

あとひとつ思ったのは、血のつながりこそが家族の証。みたいな感覚が過去の遺物となって久しいUS世界観において、本作主人公「一家」のありかた、いっそ21世紀スタンダードじゃないですか。
製作陣がそこまで考えちゃいなかろうことは端々ににじみ出るダサさが証明するところですが、この物語がUS興行で受け入れられたことを僥倖として「最初からそういうつもりでしたが何か?」って顔をし続ければいいんじゃないですかね。蔵之介いわくこの国はそういうの得意だからな!(言ってない)

しかしなー。
伊福部テーマ演奏ひとつとっても、本作の「正しくなさ」、もうちょっと丁寧にいうなら「前戯の大切さを分かってない童貞のような、おまえはバカかいきなり何だそれは感」。矯めの大切さを分かってない点が本当にダメで、そういうのぜんぶ含めいまの日本っぽかったっす。
何この絶望の淵で笑うしかないみたいなやつ。ちなみに浜辺美波、キミはもうそのままでいい。とは思いました(寛容)。
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