のぼせギュウマン

ゴジラ-1.0ののぼせギュウマンのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
5.0
在り来たりだけど、まず、ゴジラの迫力が凄かった。序盤の場面で、「ゴジラって、人を噛むんだ」と驚いたし、復興したばかりの銀座が放射光線による爆風で全壊してしまう瞬間は、目が点になる光景だった。

それよりも、私は、人間ドラマのほうが、登場人物が魅力的で、夢中になった。
特に、安藤サクラさんが演じる役柄は、好き。失ったものが大きいから、他人との幸福の度合いを比べてしまったり、他人に当たったりしてしまう。でも、人に優しくしたくなる、そういう天邪鬼なところが、共感できて。機雷掃除の仕事で出会う仲間たちも、人情味があってよかった。
何より、言葉にして言うのではなく、行動で見せる登場人物たちの優しさには、リアリティがあって惹かれた。

全体的に、神木くん演じる主人公が「自分は、生きていいのか」という葛藤に、ゴジラ退治や仲間との絆を通して、立ち向かっていく成長物語は、現代に生きづらさを抱える人々にも、勇気を与える作品だと思う。