友一

ゴジラ-1.0の友一のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.6
ゴジラ100点、人間ドラマ0点のいつものやつ….ではあるんだけどゴジラの100点がすんごいくて。すんごい100点だったので大満足でした。

賛も否も出まくった後で鑑賞したので、おおむね楽しく見れました。フレッシュなゴジラ描写が沢山あったのが良かったですね。作戦も新鮮でした。

あとはシンプルに山崎貴監督ですよね。今まで大好きなハリウッド映画からの露骨な引用は酷評の対象にすらなっていたのに、めげずに続けてたらそれがいつしかオリジナリティになって世界から評価されるとこまで行ったんですから。これには色々勉強になるなと。継続は力なりを地でいく姿勢には学ぶべきところがあるなと思いましたよ。

寄生獣で『T2』、宇宙戦艦ヤマトに『スターウォーズ』と『スタートレック』『アルマゲドン』をぶちんこんだのと、ゴジラで『ジョーズ』をやるの、ほぼやってること同じですからね。

しかしですね、役者の演技の付け方とかキャラクター造形なんかは相変わらずというか。悪い意味での山崎貴クオリティそのままでしたね。変にデフォルメされたわざとらしい演技を好む人なのか知らないですけど今回も正直見てて辛かったです。

安藤サクラとか佐々木蔵之介とか、こんな雑い芝居する人じゃないのに…とか思って見てましたよ。佐々木蔵之介はノリノリっぽかったですが。

あとは戦争で生き残ってしまった失意の念とPTSDとゴジラとの因縁が絶妙に繋がってないのは普通に物語としていかがなものかと思いますよ。敷島本人が無理やり紐づけてしまうのはキャラの性格的にも理解出来るんですけどね……。

でも最後とか普通に泣いてるんですけどね。

死に場所を探していた人たちがもう一度戦場に赴く展開は、たまらなく好きなんでね……。



神木隆之介が唇プルプルし始める。

私(叫びそうだなあ。嫌な邦画の感じだなあ)

神木隆之介がわなわなし始める。

私(叫びそう。やめて欲しいなあ)

神木隆之介「うわあああああ!」

私(叫んだ。恥ずかいい….)

神木隆之介の頭に黒い雨がドザア

私(えっっっ。怖っっっっっ。)

以上が『ゴジラ -1.0』の嫌いかと思ったら好きだったシーンでした。



女性キャラの扱いは個人的に最悪でしたね。冷蔵庫の女とステレオタイプしかいない。当時の時代背景を考えれば…みたいなエクスキューズ抜きには見てられない感じでした。しかもそれを客観的に見せる視点も無いのでマジでシンプルによくないなと思いましたよ。

なんなら「あんなことになる前に、なんで結婚してやらなかったんだ!」ってセリフ、普通に今を生きてたら意味が理解できない人の方が多いんじゃないですかねえ。うんちです。

結婚が女の幸せだなんて何億年前の価値観なんだ。化石か。

かりそめの平和を手にしてもなお、戦後は続くよどこまでも…みたいなオチ付け方は嫌いじゃないです。ぐだぐだの感動話で終わらないところも良かったです。

特攻をなんの考えもなしにヒロイックに見せない気の使い方も『永遠の0』からだいぶ進歩してるようにも感じました。



結論としては「良いところもあるし悪いところもある。山崎貴監督アカデミー賞おめでとうございます!」でした。楽しかったです。
友一

友一