いもむし

ゴジラ-1.0のいもむしのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
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大衆向けゴジラって感じ

おそらくシン・ゴジラの爆発的ヒットからオタク向けマーケティングとして円城塔のテレビアニメ、虚淵玄の映画三部作と制作するも大してウケなかったことからオタク市場に見切りをつけ、マーケティング対象を切り替えてのリブートの意味で制作されたのだろう。もしかすると東宝側としては本来シン・ゴジラに今作のようなウケ方を期待していたのかもしれない。

本作自体はというと、手癖で作った感のある人間ドラマパートに気合いの入ったゴジラパートが合わさった妙なバランスの映画となっている。冒頭の島襲撃のシーンでゴジラの人を殺すヤバい生き物感を植え付けてから満を持して東京を破壊させる流れは映像技術の進化も相まってシン・ゴジラに勝るとも劣らない絶望感を与えている。一方で人間部分については正直かなりイマイチで、役者の質で辛うじて見れてはいるもののNHKの朝ドラでも見ているような気分にさせられた。
続編の匂わせはあったが、このままシリーズ化してもシン・ゴジラ以前どうしようもない作品群の二の舞になる未来しか見えない。
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