このレビューはネタバレを含みます
ゴジラが暴れ回る絶望的な状況の中で人間がいかに立ち向かうか、というのはゴジラ作品のほとんどが共有しているテーマ。そこにかつてゴジラからも戦争からも逃げたという元特攻隊員の人間ドラマが絡むことで物語が展開されていく。
「戦争から還ってきた者は卑怯者であり幸せになってはいけない。」戦争で、ゴジラの襲来の中で目の前で命を落とした者がそう語りかけるかのように戦争の後遺症に苦しむ敷島。自分があの時逃げなければという自責の念に駆られて我を失っていくさまは観ていて辛いものがある。
ゴジラの凄まじさには目を見張るものがあり、その点でも楽しめるが、もう一つのテーマである「生きるということ」との相性がとても良いように思われる。一部界隈ではこの演技がいらないと批評されているようだが、個人的にはこの物語があるからこそ、一味違うゴジラ作品としてより大衆に受け入れやすくなっているように思われます。とはいえこういった物語の流れは展開が読みやすいのは事実であり、そういうところを面白くないと感じる人々の気持ちはわからないでもないです。しかし、伏線も多くはられているし、敷島の成長と覚悟もひしひしと感じられるしで、ゴジラを取り巻く１つの物語として面白いと思いました。
ところでここまで綺麗に「やったか？」からの全然ダメだ！のフラグ回収が何回もあるとちょっと面白いですね笑
