10円様

ゴジラ-1.0の10円様のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.4
 めっちゃ面白いじゃないですか!

 シンゴジラはどうも庵野ファンに向けて作られたようなゴジラでゴジラと人間の圧倒的な差が感じられませんでした。しかしこのゴジラ映画はとても素晴らしい!先日観た「ゴジラ×コング」とどうしても比べてしまいますが、それでも-1.0ゴジラに全ての面で軍配が上がります😊

 アメリカではアカデミー賞の視覚効果賞まで受賞するほどのVFX。この年の他の候補を見ると「ザ.クリエイター」とか「デッドレコニングpart1」とかバカみたいにお金をかけたビッグバッジェットばかり。それを差し置いての受賞。しかも本製作費がわずか約1600万ドルという他と比べても10分の1程度というのだから、ハリウッドの関係者は驚くわけです。
 しかし、これが話題作りや忖度での受賞かなと思えばそうでもなく。実際に鑑賞して
「これはやばい視覚効果だわ…」とただただ見惚れてしまいました。
 アメリカ映画って監督と視覚効果部門って業務が分かれているものですが、山崎貴はもともとVFX出身の方。技術面にも携わりオスカー像を本人が受け取っています。監督が視覚効果で賞をもらうって、実は山崎貴監督とスタンリーキューブリックだけらしいですね。これは素直に誇ってるよいかと😊

 更にはこのゴジラ-1.0。アメリカでは日本の実写映画では最高の興行収入を得ています。なので「ゴジラ×コング」が作品の完成度以上の興行をあけた要因として、「ゴジラ-1.0」の存在があったらからかなぁ。と思ってます。

 映画は戦争直後の日本が舞台というのが新しかったです。戦争の絶望感を抱いている矢先に更なる絶望が日本を襲撃。
 ただやはり日本人はここで諦める事はなく、打開策を考えます。昭和ゴジラとかは時代に合わない空想上の兵器を駆使したり、人間に味方する怪獣に戦ってもらったりしましたが、本作は当時の技術で知恵を駆使して戦ってました。実際のところ科学的時代考証は多少、ズルしてるところはあると思いますが、それよりもなによりも。反戦テーマが皮肉られて描かれているのが良かったです。
 軍国思想の「死ぬために戦う」「戦って死ぬ」という考えは愚かだと暗に言い、「生きるために戦う」「必ず生きて帰る」とゴジラという脅威に一丸となって立ち向かう姿は、ベタながらも心熱くなってきました。

 役者陣営も神木くんはじめ皆さん好演していましたが、安藤さくらが日本アカデミー賞受賞するほどか?と疑問符…吉岡秀隆とか佐々木蔵之介の方がよっぽどって感じだしなぁ。

 本作、早めに観た後輩くんから
「良い方の山崎貴でした。」
 と言われて楽しみにしてました。当たり外れが割と大きな監督って事は、多くの人が思ってるのねぇ😅
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