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ゴジラ-1.0のseriFilのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
2.9
映像クォリティと引き換えに“ゴジラ”の存在感が希薄でした。例えば、日本の“怪獣”って感情移入できるようなちょっと不器用な内面を感じさせることがその存在感の肝だったような気もしますが、本作のゴジラは無色透明で、例えば怪獣を倒したときのウルトラマン的、あるいはブルース・リー的な余韻は完全にスルー(笑)、で、死んでませんよ的な、そっちのエンディング。であるなら、エイリアン並みにもっともっと邪悪な存在感で震え上がらせてくれなければもちません。終戦の復興期に現れる意味不明の設定とか、しゃれにならない後悔の安易な乗り越えとか、ダンケルク風味の漁船の大集合とか、薄味の脚本と相まって掴みどころのないチグハグ作品でした。
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