nagashing

沖田総司のnagashingのレビュー・感想・評価

沖田総司(1974年製作の映画)
3.0
微妙にニューシネマっぽくて新鮮。『明日に向かって撃て』のパロディもあり。劇伴も時代劇のそれじゃない。近藤・土方・沖田の(おもにフィクションで潤色されてきた)関係性といい、切実で刹那的な「侍ごっこ」が瓦解していく顛末といい、新選組と60〜70年代的な影のある青春譚は相性がいいのかも。叙情的すぎる演出や喀血に由来する「赤」の強調にはいまいちノリきれないが、下駄の脱ぎ履きで蓄積されていくエモーション、児戯性と幽鬼性を同居させていく草刈正雄のたたずまいが◎。有名な黒猫のエピソードを採り入れた虚無的なラストも、シネスコを活かしたガン決まりの構図で魅せる。廃墟同然の道場でジビエ料理を食らう試衛館メンバーが完全にゴロツキで笑った。石田散薬は3回くらい出てきます。
nagashing

nagashing