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ソフト/クワイエットのmitzのレビュー・感想・評価

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)
2.5
ヘイトクライムを題材に全編ワンカットで演出された白人至上主義の会合に集まった6人の女性の物語。
何かと多様性が重んじられる風潮に「逆差別」としてお互いの日々の不満を吐き捨て合う中で起こるエコーチェンバー現象をわかりやすく可視化し、それを経て女性たちが暴徒化するまでの過程が描かれています。
計画的な犯行ではなく、怒りに突き動かさるがまま起きてしまう唾棄されるべき軽率な行為を目の当たりにする臨場感があり、排他的で自尊心の強い人種差別者たちの(一元的な)愚かさや醜さを90分間ノンストップで浴び続けるストレスに耐える類のエンターテイメントです。
そもそも中華系移民のルーツを持つ女性監督がセントラルパークでのエイミー・クーパーの一件にインスパイアされたと言っているように「世の中を良くしよう」などの目的は微塵もなく、むしろ「反骨心」や「復讐」にも似た信念が根底に流れる強烈にタチの悪い作品です。
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