メッチ

ソフト/クワイエットのメッチのレビュー・感想・評価

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)
3.7
心が荒んだ彼女たちは、倫理観はなくなり、衝動に駆られ、気持ちの悪い”怪物”となる。

人は不満が募れば募るほど、ここまで気持ちの悪い怪物になれるものかと思わされました。全編ワンカットということもあり、登場人物たちの倫理観がなくなっていく様が、妙にリアルに感じました。

白人至上主義を掲げて、有色人種を目の敵にする。鉤十字の件や右手を挙げ両足を揃えるポーズなどジョークでやってしまっていたり、腹の虫が治らないことを理由に衝動に駆られて行動する。これらを平然と行ってしまう彼女たちは、「我々は被害者」という視点だけでしか物事を見ることができなくなっていた。視野が狭くなってしまっていたのでしょう。
愚かな判断をしてしまった先人たちの歴史をどこまで知見があったのか?不満や不安が募りに募っていたが故に、倫理観が欠けてしまったとは思いますが…。恐らく、彼女らにはそのような知見はなかった。学ぶ術もあったでしょうけれど、心にゆとりがない状態では難儀。そこまで追い詰められていたのでしょう。
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