悪魔の毒々クチビル

ロスト・フライトの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

ロスト・フライト(2022年製作の映画)
3.9
「一つ一つ着実に」

護送中の殺人犯を乗せる事を急遽知って「マジかよ…」な飛行機が落雷により緊急着陸するも、着陸した島がゴリゴリに武装した反政府ゲリラ集団のアジトで「マジかよ…」なお話。


ジェラルド・バトラー主演のパニック/アクション映画です。
英米合作表記ですが、監督は仏からジャン=フランソワ・リシェ。
原作があるとの事ですが、大分違った内容になっているようです。

序盤の墜落パートが何処と無く省エネ演出と言いますか、イマイチ緊迫感に欠ける印象でちょっと不安でしたが中盤からは一定のハラハラを感じさせつつテンポ良く進む展開のお陰で思いの外楽しめました。

今作のジェラルド・バトラーは決してステイサムタイプのような無敵ではなく、一般人よりは腕は立つかな程度。
代わりに護送中の犯人であるガスパールが頼もしい助っ人になる訳ですが、こう言うある種の敵対していた立場である二人が手を組む展開自体は基本好きなのでまずそこが良かったです。
ガスパール役にはドラマ版「ルーク・ケイジ」の主役だったマイク・コルター。ムキムキで頼りがいあるルックスがイイネ!

そして後半になって救出に来る傭兵部隊がめっちゃ強い。恐らくガスパールポジションがステイサムとかだったら完全にかませ集団のまま終わっていたと思いますが、全員優秀な兵士が揃っていて特に狙撃手が大活躍でした。
反面、人質に取られた乗客は皆さん大変おとなしくて変に物語を掻き乱さない優等生揃い。
なので各々の個性は極薄で、正直居たかどうかも忘れていた人もちょいちょいいらっしゃったんだけど、まぁこの尺でこのテンポをキープする為にはやむを得ずか。

あと行方不明になった機体を探す航空会社パートもあるんだけど、ここも変に揉み消そうとするんじゃなく捜索に精力的な指揮者のお陰でスムーズに進むのでこれまた見易い。

全体的にエンタメ要素モリモリで流れに身を任せて楽しめる作品でした。
このガスパールのその後を描く続編も製作されるようで、割と気になりますね。