このレビューはネタバレを含みます
黒鉄の魚影(サブマリン)、おもしろかった〜!
シリアスで説得力あるストーリーと、キャラもの作品として最大公約数的に不快感を感じさせないように配慮しつつも、灰原をヒロインとしてしっかり描写した作品だったと思う。
灰原をヒロインとすることにかなり踏み込んでいて、エンドロールが終わって劇場が明るくなった瞬間、後ろの席の女の人たちが「うハァーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!いいの!?いいの、これ!?ハァーーーーーーーーー↑↑↑↑」って盛り上がってたけど、めちゃくちゃ分かる、って思った笑
とはいえ、中盤までのストーリーは歴代の劇場版でもトップクラスにシリアス。陰鬱と言ってもいいくらい。
特に灰原が誘拐されたときの阿笠博士のリアクションとか、父親を狙撃することで脅しをかけるシーンは、(少なくとも灰原は)このあと助かるとは知りつつもなかなかの絶望感だった。
逆に言えばストーリーの説得力はかなりあって、ボスの正体やベルモットの行動理念など本編に関わりそうな内容もしっかり描写されていたので、劇場版と言いつつほぼほぼ本編みたいな内容だったし、だからこそ終盤の灰原との一連の流れがとてもワクワクするものになっていたと思う。
まあほんと灰原ファンにとっては最高の作品だった。
灰原ファンは原作を読むとき、黒ずくめの組織編での「あれ、これストーリーの本筋的に灰原がヒロインじゃね🤔」という思いと、新一は蘭に心底惚れていて蘭が正ヒロインとして描写されている事実、この2つの要素に常にジレンマを感じていて、「灰原は恋愛を超越した相棒!」と強がってみたり「新一の相手は蘭だが、コナンの相手は灰原!」と言い張ったりしている悲しい生き物なんだよ。(個人の感想)
今回のストーリーは公式がそういう灰原ファンの心を救うためのものだったんじゃないかな、と、思う。
あと、灰原をメインとしつつも、いつもの格闘の他に宮野明美とダブらせたり最後のアレでちゃんと蘭にも華を持たせていたのも好印象だった。
まさにラブコメ的カタルシス。マジェスティック。
そうだよ、灰原と蘭がくっつけばいいんだよ。
それで全部解決するじゃん。
新一、お前もう帰ってくれないか。
(ハイライト)
・蘭が2階からオフロード車のボンネットに飛び乗って格闘するシーン。仮面ライダーかな?
・灰原のコナンへの呼び方のバリエーション。「江戸川くん」「江戸川コナンくん」「工藤くん」「待たせるの好きよね、新一くんって」。もうこれヤバい。これだけで一晩で法隆寺が建っちゃうよ。
・ジンニキ、またしてもコナンや灰原の正体に気づいた身内を殺す。もう味方やろこいつ……。
・コナンくん、あいかわらずのバスターマシン化。最後の津波を相殺するサッカーボール、エフェクトが完全にビームライフルでワロタ