みりお

水は海に向かって流れるのみりおのレビュー・感想・評価

水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)
3.5
※レビュー溜め込みすぎたため連投💦
コメント返すの絶対死ぬほど遅くなると思われますので、どうかスルーをお願いします🙇‍♀️🙇‍♂️🙇



なんだか「すずちゃん」と呼ぶのが憚られるくらい、真に大人の女性へとなっていく広瀬すずの過渡期を見せてもらったような気がする作品でした✨

16歳の頃に母親の不倫・家出を経験し、10年経ったいまもその傷を抱えたまま生きる女性・榊さん。
26歳のいい大人だけれど、でもそれ以来母と会っていない彼女の時間は、16歳のままで止まっている。
そんな彼女が、シェアハウスの同居人として出会った"良い子"の高校生・直達くんが、自身の母親とW不倫していた男の息子だとわかってしまう。
母親に置いておかれた16歳の少女のまま、「私、一生恋愛しないから」と仏頂面で呟く榊さんの顔は、たしかに多感な頃の女子高生のままなのに、リアルな高校生の直達くんを向き合う榊さんはたしかに26歳の大人の女性で、大人と子供の間を行き来するこの人物像は、抜群の透明感と演技力を兼ね備えた広瀬すずにしかできない役だったのでは?と思わせるほどでした。

母親を全力で恨みつつ、心のどこかで、大人になれない自分を責めているような榊さん。
でも家庭や子供がある中、守るべきものをすべて放り出した親たちがうまーくエゴの塊として描かれているので、必死に大人になろうともがく10代20代の若者たちが対比して強調されて、彼らを心から応援したくなりました。
清涼感に溢れたラストシーンが終わった後、エンディングテーマはなんとスピッツ!
本当に清々しくて透明感あふれる作品だったなぁ🌟

そして余談ですが、子猫のコロちゃんが演じるムーちゃん🐱💕💕
もーーーースクリーンに出てくると目が釘付けになってしまうくらい、全力投球の演技!!(に見えた♡)
作品全体に愛おしさを散りばめる、本当に良いエッセンスになっていました🥰


【ストーリー】

高校への通学のために叔父の家に居候することになった直達が駅に着くと、見知らぬ大人の女性、榊千紗(広瀬すず)が迎えにきていた。
案内された家には、脱サラしてマンガ家になった叔父、女装した占い師、海外を放浪する大学教授、そして笑わない26歳の会社員・榊がおり、彼らとの共同生活が始まる。
直達は次第に榊に好意を寄せるようになるが、榊に「恋愛はしない」と宣言されてしまう。
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