向日葵

水は海に向かって流れるの向日葵のネタバレレビュー・内容・結末

水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます


「みんなさ、しれっと幸せになっててバカバカしい。」

予想以上に良かった。。
一言一言に凄く重みがある作品だ。

親に対しての何かしら怒りを抱えている人間は共感出来る、また客観的に自分を学ぶことの出来る物語だと思う。

母親の不倫をきっかけに、10年前から自分は恋愛をしないと決めた主人公榊千紗。
どこか淡々としていて、怒っていますか?と聞かれるような優しい女の子。

そして10年経った現在、やっとの思いで既に新たに家庭を持つ母と再開した時の会話。
「千紗はいつまでそうやって怒ってるの?お母さんはあなたに幸せになって欲しいのよ🥺」「それはあなたが楽になりたいからでしょ?100年後にはここにいる人誰もいない。生きてる時位怒っていて何が悪いの??」「あなたまともじゃないわよ🥺」「あなたの子だからね」

この会話、自分を見ているようでつい笑ってしまった。きっと反省していてくれているはず。全てを犠牲にしてまで怒って来たんだからと。そんな裏腹での抱えていた期待すらも綺麗に裏切られる絶望感。を隠す必死の最後の言葉。堕ちるなら道ズレにしてやるくらいの悲しい言葉。

こんな想いを抱えたまま生きる人はきっと少なくない。そんな時に自分の為に泣いてくれる人に出会ったら何が起きるのだろう。
「僕は怒っています。」って

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「自分は千紗さんとは違って怒るのも仕方が無いと諦めた。冷たい人間なんだ。」

そんな時千紗は言う。

「冷静なんだよ。そういう人は世の中に必要なんだよ。だから救われてる。」
向日葵

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