原作を読んでいないので、原作と比べてどうとかいうジャッジはできない。
でも原作を読んでいる人からすると、どうやらエンディングに納得がいかないらしい。
コミカルとシリアスがいいバランスで混ざるのは、さすが前田哲監督っていう感じ。
映画単体で見るならば面白かったと思うのだけど、1つだけ肝心なことがわからない。
「で、結局榊さんのことは恋愛対象なの? どうなの?」っていうモヤモヤ。
ところでその榊さんは一体何のお仕事をされているんだろうか。わりと家にいるよね。
不倫というものが週刊誌の格好のネタになるようになって久しいが、まったく当事者でない、無関係の人からも非難されるのは理解できない。ただ、当事者は生涯謝り続けるべきだと思う。
怒りたいときに怒れればいいけれど、なんだか機を逸してしまったんだろうな。ずっと感情を塞いできた2人の怒りが、最後の最後に行くべきところにたどり着いたから「水は海に向かって流れる」っていうことなのかな。
個人的に好きで、そして嫌いなシーンは、榊さんのお母さんと言い合いになるシーン。
「あなたまともじゃないわよ」からの「あなたの子だからね」。
あれは素晴らしい切り返し。
そして、僕の感覚がおかしいんだろうか。あれは母はもっと謝るべきところなんじゃないのかな……。