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We're All Going to the World's Fair(原題)のizuのレビュー・感想・評価

3.4
世界とつながる。

孤独な女子高生・ケイシーがネットの都市伝説的ゲーム「World's Fair Challange(万博チャレンジ)」にチャレンジする過程とその後を描いたホラー風味映画。

World's Fair Challange...
「万博に行きたい」と3回唱え自身の指を針で刺しPC画面に血を塗り付ける。その後、奇妙な事が起こったり起こらなかったりするのだが...

いかにもホラー映画な雰囲気がある作品だが、これはホラー映画好きにウケる作品ではなく、外国映画好きにウケる作風。
ストーリーはあるにせよ、かなりスローテンポに描かれ展開も派手なものは無く、メニュー画面からエンドロールまで全てが雰囲気映画。

この、「どこか落ち着いてはいるけど安心できない、つかみどころのない雰囲気」が心地よく、似た作品としてどこか「Skinamarink」みを感じた。

スクリーンに写されたケイシーの顔が異様に歪んだり、ネット上にアップされた映像ではPC画面から手が伸び画面前の人間を吸い込むなど、微量のホラー要素は散見されるもののホラー映画として観るもの・観ては良いものでは無く、あくまでそういう演出であると捉えるのが一番かなと。

本作では主人公ケイシーの家庭事情などが一切描かれず、若いわりに親と話している描写も無ければ学校に行っている描写も無く、外を気ままに散歩したりなど「外の世界」があまり写されない。
この映画では内側(家での、ネットで)の世界を描き、SNSという媒体(World's Fair Challenge)で内側に閉じこもっている人々が繋がる事を比喩しているのかにも感じた。

ただ上記にて述べた通りどこからどう見ても100%完璧に雰囲気映画で、人によっては酷く退屈に感じるかもしれないし好みにマッチすればベストにもなるかもしれないような作品であった。

個人的には「好きか嫌いかなら好き」、「面白いか面白く無いかなら面白く無い」。

視聴 2023年12月4日
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