Kyasarin

怪物のKyasarinのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.3
2023.06.08
#怪物 #monster
完成披露試写会舞台挨拶


席近かった❤️
優秀な役者陣と是枝監督、坂元裕二さんの脚本と坂本龍一さんの音楽の融合。
観るものをどんどん巻き込んでゆくストーリー展開。
観る視点により心の変化を楽しんでいただきたい。
思い込みや勝手な解釈、世の中には沢山蔓延って居る人間の厭らしい部分がこれでもかと表現されている。安藤サクラさんと永山瑛太さんは勿論のこと、田中裕子さんも素晴らしい。そして、子役のおふたりのお芝居も魅力が詰まっていてこの時期にしか出来ない繊細なお芝居を魅せてくれた。
一度じゃ足りない。
何度も見返したい。
そういう風に、帰り際でいらっしゃる是枝監督にお声がけいたしました。
賞とかは後からついてくるものなので、それはさておきただただ色々な方々にみていただきたい。観た人の感想をたくさん聞いてみたいです。


と賞獲る前に綴りましたが見事!獲りましたね!!
すごいなぁ。

坂元裕二さんの脚本が世界に通じたことがとても嬉しいです!!!


初日舞台挨拶も行きます!!
たのしみ!!

相互さんが「誰かを守る為に人は怪物になる」って表現されていて、言い得て妙だわと思った。確かに。

でもその直後にfilmarksで「怪物なんていなかった。みんな優しく脆い人間だった。」とあってまあそれも分かるなと思ったけどやっぱりいじめっ子たちとあのストゼロオトンは許せない。

ネタバレありの感想はもう少し時間経ってから書きます。




以下、
怪物感想キャンペーンに送ろうとしたものの想いが長過ぎて泣く泣くカットした文章を全部載せます。

怪物


先ず初めに。映画「怪物」を企画して下さった方、スタッフの方、是枝裕和監督、脚本家の坂元裕二氏、名だたるキャストの方々、本当にこの作品をこの世に出して戴き誠に有難う御座いました。感謝申し上げます。
題名にもある「怪物」とは一体何なのか、私は最初「人間は時に怪物になることがある」という解釈をしていました。色々な方々が考察されていましたが何度も見るにつれて私の考えはこう変わりました。「大切な人を守る為に人間は時に怪物と化することがある」と。登場人物、早織は湊を守る為に学校に行く時、若干事実を盛りすぎたり話を作ったりしてモンスターペアレントと化した。保利先生は学校を守る為に怪物のフリをした。保利先生の彼女は保利先生との未来を危惧して自分を守る為に怪物と化した。校長先生の夫は妻を守る為に代わりに捕まった。校長先生も学校を守る為に自分のしたことを隠した。湊は依里を守る為、依里は湊を守る為に色々な行動を起こしたり従ったりした。
みんなそれぞれが相手を思っているのに、それをよく思わない人や偏った穿った見方をしている人も出てきます。
例えば、早織の仲良しのママ友が学校の会見の時に早織に「大変だったねぇ〜」と肩をさすりながら話しかけるがそもそもイジメの主犯格の子の親だと後から分かった時に身震いがした。嗚呼、だから冒頭クリーニング店で会った時「保利先生ガールズバーに居たらしいよ」と何故知っていたのかと思ったら子どもが動画配信をしていたのであった。元々、もしかしたらイジメられたと言うか湊が昔嫌な思いをした事があるのかな?と言うニュアンスの会話はあった。髪の毛や問題事が起きた時に「鎌田くんでしょ?!鎌田くんにやられたんでしょ!!?」と執拗に早織が湊に聞くシーンがある、私も子が居ますが怪物と似たようなことがあり学校に行ったことあります。その時の発端の時全く同じことを子どもに言いました。保利先生のガールズバーの誤解もそうですし、世の中の芸能人の炎上とかもそうですが本当の事もあるかもですが、勝手に疑ってみたりひとつのことで火が拡がってゆく、小さな火が日常には沢山あると思うのです。それが大炎上する時もあれば日頃の火がチラホラ出る事もある。この映画は最初火事から始まります。早織が「がんばれー!!」と向こう側のビルが燃えている消防車に対して応援をしている。その炎上への応援は他人事なのでまさに「対岸の火事」なわけです。でもそれが自分に火の粉がかかってくると早織は表情が変わります。保利先生への憎悪の表情は凄みがありました。
どなたかがこの作品は火で始まり、水で終わる。と仰ってましたがその通りだなと思いました。
是枝監督がティーチインにて、小さなお子さんからの質問「なぜイジメに追求しなかったのか」への答えは「日本のバラエティーが冗談だよ?とかドッキリだよ?という延長線上でやっている、映画の中のイジりもあの感じと同じだと思う」と仰っていて元テレビマンなだけあり、なるほどなと思いました。だから要所要所でバラエティー番組も流れていたのだなと。あと気になったところはやたら鏡がある、という事です。校長室、職員室、早織がアイロンをかける部屋、御手洗、などなど。きっと人間を映す鏡、怪物に変わって行くところを映す鏡、という意味も込めて敢えて写しこんだのかな?と思いました。
あと湊と依里を見守る隣の席の女の子、よく見るとBLの本を読んでいて音楽室での髪を触った依里のカットと同じ表紙の漫画の絵が書いてありました。音楽室から出た時もあの子、居ましたね。
私の勝手な解釈なのですが保利先生は発達障害っぽさが行動からしてあるのかなと思いました。誤字が気になる、作業していると途中で違うことを始める、人から聞いたことをそのまま受け取りそのまま言ってしまう、(彼女から言われたシングルマザーの事を校長室で言ってしまった)咄嗟な行動を取ってしまう(彼女が落ち着くために飴舐めなと胸ポケットに入れたのを思い出しあんな場所で食べ始める)などなど。
この映画の中には「普通じゃない」人達が出てきます。いやでもそもそも「普通」とはなんなのでしょうか。なんなら至って「普通」の人間とは居るのでしょうか??今の世の中みんな何かしら悩みや困ったことを抱えて生きていて、実は「普通」である人って実は居ないのでは??と思い始めました。同性が好きな人も居れば異性を好きな人も居る。人を好きにならない人も居れば恋愛体質の人もいる。片付けが得意だけど料理が全くダメな人もいる。人間関係が得意な人もいれば人に関わらずに生きたい人もいる。なにをもって「普通」なのでしょうか。「生まれ変わる」が何度も出てきますが、自分の考えようで「生まれ変わる」ことは出来ると思うのです。わたし自身も特殊だし「普通ではない」と思います。悩み事もあります。それをひた隠しにして普通を装って生きています。みんな実は、そうなのじゃないでしょうか。「こうでならないといけない」って誰が決めたのでしょうか。自分が「幸せ」だと思えれば万々歳ではないでしょうか、と思うのです。何度も何度も見る事に、湊と依里がこれからどうか、どうか幸せでありますように…早織がこれ以上大切な人を失いませんように、保利先生がまた楽しんで仕事が出来ますように、校長先生の気持ちが安定しますように…と思うのです。あと物語の中では悪く描かれがちな依里の父親ですが、妻との関係も上手く行かなく仕事でも成果も出ず、酒に溺れ、子どもに期待しすぎていたのかな、と彼の立場になると思ったりもします。だからと言って虐待は許せませんが。
校長先生の言葉「そんなの、しょうもない。誰かにしか手に入らないものは幸せって言わない。しょうもないしょうもない。誰でも手に入るものを幸せって言うの」とても沁みるし何度観てもいつもあの場面で泣いてしまう。刺さりました。
しょうもないことが人間を苦しめているのです。「幸せ」とはその人自身が決めるものなので他人の物差しでは測れませんが、もうそのまんま、だと思います。素晴らしいセリフだと思います。坂元裕二さんにしか考えられないです。あっぱれ。
元々、是枝監督と坂元裕二さんが大好きでおふたりのトークショーに行ってメモを取ったりして、作品もそれぞれ好きで、安藤サクラ様の超ファン過ぎる以上のファンでして、永山瑛太さんも好きで、田中裕子さんも好きで、しかも音楽は坂本龍一さんですし、企画発表、情報公開された時から楽しみにしていて私にとってこれ以上ないくらいの素晴らしいスタッフとキャストで、試写会から参加させて戴き初日舞台挨拶も池袋と大阪京都のティーチインまでも参加させて戴いて是枝監督にもサインも戴きお話も出来て、小説本もノベライズ本も読み、私にとって本当に大好きで大切な作品となりました。結局はただのファン、なのですが色々考えさせられますし自分が生きてゆく上で救われた部分もたくさんたくさんある作品をこの世に出して下さったことに感謝です。本当に本当に本当に本当にありがとうございました。怪物の事を話したら三日三晩どころかナンボでも話せます。怪物を語る会したいくらいです。想いをお伝えしたかったのでこの企画に参加させて戴きましたが駄文乱文失礼致しました。まだまだ足りないくらいです。また、見返してあの世界に浸りたいです。怪物大好きです。ありがとうございました!!!!ラブ!!!
Kyasarin

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