このレビューはネタバレを含みます
2回目:
1回目は一人一人に感情移入しすぎてしまったけれど、展開と真実を知った上では冷静に観ることができた。母親の主張は先生の境遇を知ると見るに耐えなくなってしまった。でも母親の行動も間違ってはいない。湊の嘘もアイデンティティに対する混乱ゆえのもので、結果誰も悪くない。なのに全員がどこかしらで傷ついてる。それが途方もなく辛い。
湊とよりくんの関係だけが、この映画で1番ニュートラルで優しい、幸せの時間を体現している。なんのバイアスを持つことなく、純粋に人を好いている気持ちが心地よい。
後から真実が分かり、登場人物に対する印象がどんどん変わっていくのが面白い構成。だから視聴者側の心情もどんどん変えられて、感情をぐちゃぐちゃにさせるのがこの映画の醍醐味だと思う。1回目の衝撃が大きすぎる。記憶を消してもう1回見たくなる映画だった。
1回目:
ずっと辛くて苦しくてその気持ちが痛いほど伝わってきて、
理不尽な世界がみんなを苦しめて、些細なことでも誰かを苦しめてて、全部悪循環。
2人だけで過ごす時間は夢のようにキラキラしてて、美しくて
それすらも刹那的な感じがしてつらかった
子供たちも大人と同じように悩んでいて、苦しんでいて、小学生の頃の自分を思い出した。
汚くうるさくぐちゃぐちゃな世界があれば、眩しくて穏やかで澄んだ世界もあって
後者がずっと続いていけばいいのにっていつも思う。世界はそう上手くできていないけど、そういう時間を大切にしていきたいと思う。
荒れた天候、穏やかな日差し
川の濁流、二人の会話
汚さと美しさ
辛さと幸せ
残酷と平和
ふたつの対比された映像、物語がただただ心に突き刺さってきた。
こんなのずるいと思った。
物語中のこと:
ドッキリがやらせだって、テレビだからそう言えるんだよって、学校で起こっていることを考えれば湊くんはそれを現実で体験していて、テレビの内容も全く面白くなかっただろうなと思う。
怪物だーれだ?の遊びで、ナマケモノは危害を加えられたら?それを感じないようにじっとしているという話
星川くんはそうやって、反発しないでそのままで自分の身を守ってるってこと。それをわかってるのは湊くんだけだった。
・自分ではよく分からないけど、好きな人がいる
でも、幸せになれないってバレるから誰にも言えない
▶︎誰かにしか手に入らないものは幸せとは言わない
この回答はよく分からなかった。誰かにしか手に入らないものは幸せじゃないってどういうことだろう?でも、湊くんの苦しみが理解できるから、吹いた楽器の音がすごく悲しかった。校長先生が、しょうもないしょうもないって言ってるのが、幸せが分からなくなってる自分に「大丈夫だよ」って言われてるみたいで、涙が止まらなかった。たしかにしょうもないよね全部