このレビューはネタバレを含みます
【6/7(水)再鑑賞】
やはり私の場合、二度目の方が本作の質への理解がかなり深まったのでスコア4.0から4.5に変更。
母親らしく、
先生らしく、
男らしく、
なんと無神経な言葉たち。
気付かせてくれた坂元裕二氏に感謝を伝えたいほど。
そして改めて、お互いを受けて引き立たせる凄まじい表現力を見せつけてくれた二人の子供達に大きな賛辞と心の中で満点スコアを。
【6/2(金)上映初日】
坂元裕二氏の脚本賞受賞。
もう納得でしかなかった。
台詞も、聞きながらニヤッとしてしまうぐらい坂元裕二。
とても美しく壮大な景色のなかで上質な謎解きをさせられたような、そんな感覚になった本作。
序盤から安藤サクラの貫禄に引き込まれる。
母親の底力とシンママの視点。
すると、章が変わり起きている事態が学校側視点に移り変わる。
校長は坂元脚本では常連の田中裕子。
この方の居方には毎回魅了されまくるが、今回も恐ろしいレベル。
これまた常連の担任教師役、永山瑛太。
今回ほぼ坂元氏のご指名だそう。
前半と後半の演じ分けがエグい。
章をわけて、「それぞれの視点」という描き方をしてあるのかと気付いた時ふと『愚行録』を思い出した。
もっと言えば石川慧監督ならどんな描き方をされただろう、と興味まで持ってしまった。
そして視点は、学校側から子供達へと移ってゆく。
「かいぶつだーれだ」
普段誰もがかけている色眼鏡や心のフィルターを外すか外さないか。
靴が片方無くなったと思うか。
貸してあげたんだと思うか。
自分にとっての怪物が誰か、何か、は皆違う。
そして『普通』とは何なのか。
言わずもがな、絶品だった坂本龍一氏の音楽。
最初の一音だけで鳥肌。
それとは別に、後にわかった管楽器の音色の使い方にはため息。
個人的に大贔屓の坂元裕二氏。
そして坂本龍一氏。
二人のサカモトに彩られたおかげか、今回はそこまで不得意な是枝色を感じなかった気が。
あったとしても、ラストで二人が纏っていた光に乗ってどこかへ飛ばされた気がする。
色々わかった上で再度観たらより深いだろうなと思うので、行けたら。