怪物のdramaのネタバレレビュー・内容・結末

『藪の中』『羅生門』的な展開。サスペンス調で、引き込まれはするのだが、登場人物達の気持ちは曖昧なままになってしまった。行動の理由がよくわからないままのことも多かった。演技にはよいところはあった。特に安藤サクラの演じる怪物は「おっ」と怖い感じが出てよかった。でも全体的には、人物像がわからないままだったなと思う。一番難しいのは校長先生。最後の「誰かにしか手に入らないものは幸せって言わない」というセリフも説教臭く白々しく浮いていると感じてしまった。是枝さんの脚本なら多分使わない言葉だと思う。
また、同性愛が怪物という感覚は現代的にはリアリティをうしないつつあると感じてあまり響かなかった。子供の中の怪物ってもっと怖いものがある。先生を貶めてしまったことのほうが怪物感があるが、そこにはイノセントすぎる感じがあれれと思った。
坂元裕二はやはり私にはあわないようだ。