うーん、ムズイ。感心する箇所はあれど、それが正しいのか自分の中でもハッキリしない。
というのも、一番ブチ上がったのが台風のなか安藤さくらと永山瑛太が廃トンネルを抜けていくショットなんだけど、昨日今日とリアルにも台風が来てて人が亡くなってる。それを知ってるのにこのスペクタクルを楽しんでいる自分が居て、でも同じショットで傷つく人もいるに違いない。上映前に話題になってたクィアネタバレ問題も同じ根っこではないか。
そういうのが、謂れのない噂で相手を貶すシーンの反復（永山がガールズバーに行っていた、孫を轢いたのは本当は校長）によって、人はどこかで傷つけ合っていて、100%誰も傷つけない人生（あるいは表現）はない、という主張となって立ち顕れてはいまいか。いや、僕の中で押し殺していた部分が浮かび上がってきただけかもしれないが、少なくともそれらの批判は折り込み済というか、どっしり構えているなという点に感心したのだった。正しいのかは本当に分からない。
安藤さくらパートは紋切りが多くてイライラ。田中裕子がホルンを吹くショットも大変素晴らしい。ラストは天国にしか見えなかったがどうなんでしょう。
