視点が切り替わるたびに予想とは違う方向に進んでいくシナリオ。終盤までどういう着地をするのか分からなくて面白かった。
予告やタイトルからもっとセンセーショナルで露悪的な話かと身構えていたんだけど、やっぱり是枝監督らしくしっかり地に足ついた映画になってる。
絶対悪の"怪物"なんてものは世の中には中々いなくて、誤解や偏見、鈍感さ、幼さなど様々な要因によって、誰もが誰かにとっての怪物になり得る。単純な勧善懲悪にはなっていないし、悪い人にも事情があるみたいな薄っぺらい話でも無いのが見事。
誰が悪かったのかというよりは、誰のどんな行動が悪かったのかを考えさせられる……と言いつつも数人は擁護できないレベルの悪い奴がいたと思う。