ある大学生

怪物のある大学生のレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
5.0
⚠️ネタバレ含む

⏹️憶測や噂が人を怪物にする⏹️
⏹️事実は一つ、真実は無数⏹️


結局最後は誰が怪物なのか分からなかったが、
そもそも怪物を探そうとする心情や、
鮮明で明確な事実も無いのに勝手に憶測を
進めていくその行為への警鐘を
鳴らしていると感じた。

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①三者の視点から見える違った現実
お母さん、先生、子供の三者から、
同じ出来事を捉えている。

最初お母さんの視点からのシーンでは、
「先生絶対悪いことしてる」とか、
「麦野くんがいじめられている」と思って
見ていたけど、

シーンが進むうちに
そういう見方をしてしまっている
自分は、事実を違った方向に向けてしまうことに加担しているして恐怖を感じた。

現実世界でもこの映画と同じように、
起こったこと(事実)は一つだけど、
それを見た人、経験した人によって
解釈の仕方は人それぞれで、
真実はたくさん生まれることがある。

そんな時に、
ある真実につられて事実が捻じ曲げられ、
事実が事実ではなくなることが
現実世界でも起こってしまうことが
あると思う。

決して誰かの声や噂で事実を判断するのではなく、
自分の目で見聞きした根拠のあるものに
従って生きていきたい。


②セクシュアルな部分
子供2人の同性愛についても触れていた。

現代でこそ多様性が受け入れられるようになったけど、
子供にとっての同性を好きになってしまうという「普通ではない状態」をうまく言葉にできない子供の葛藤や、
それを受け入れられない大人の存在を
忠実に映していたように思う。

そもそも「普通」とは広く受け入れられている価値観なだけであって、
個人的には普通という概念を持つことなく、

今後子育てや人との関わりをしていきたい。

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見終わった後にもう一回見たいと
ここまで思う映画は初めて。

クラスメイトの女の子の考えていることや、
他の部分にも注目してみたい。
ある大学生

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