KnightsofOdessa

怪物のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
2.0
["誰でも手に入るものを幸せという"] 40点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ある小学校周りで起こった出来事を羅生門形式で語る一作。羅生門形式なのは本当に謎で、確かにある章で怪物のような人間も別の人の視点では怪物ではなく、誰しもが怪物になりえるというテーマはあるんだろうし、クドいからそれぞれの章のオーバーラップを控え目にすることで、ある意味で怪物とされた人間は怪物認定した人物を見ていなかった(交わらなかった)という見方も出来るのだが、あまりにも答え合わせ感が出てしまっている。そして、その先にあるのが、試写会で"ネタバレ"とされた、二人の少年の関係性である。そういった姿勢も、本作品の結末も含めて前時代的というかなんというか。まぁ未だこの程度です、という告発的な要素のはあるのかもしれないが、それにしては貧困とか毒親とかモンペとか体罰とか色々絡みすぎじゃね?観終わってみると、カンヌでの例の発言も映画の一部なのではと思ってみたり(クィア映画ではないと言いながら、クィアパルムは貰う厚かましさ)。まぁクィア映画ですと断言した方がデメリット大きいと判断されたんだろうけど、言い切る覚悟がねぇなら題材にもするなよと。あと、海外ではルーカス・ドン『CLOSE』と比べられていたけど、去年カンヌの会場で観てすぐにパクったのでは?と思うほど同じシーンが登場するのに驚き。
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