このレビューはネタバレを含みます
物語そのものは、視点の変化によって徐々に事件の全体像が炙り出され、真相に繋がるという構成。
「怪物だーれだ!」というキャッチコピーの通り、鮮やかに回収されてゆく伏線とその度に明らかになる事実によって"怪物"にみえるキャラクターが目まぐるしく変化するのが面白い。
イジメまがいのドッキリ、揶揄い、クラスのみんなの目線などなど、子ども社会の世知辛さをしっかりと描きつつ、そんな"彼らなりの戦場"ともいえるしがらみの中で、心通じた2人の少年。
繊細かつ絶妙に描写される彼らの関係性には、いろいろな見方ができると思うが、少なくとも彼らが抱く感情は、無垢であるがゆえに真に純粋なもので、嵐を乗り越えた2人が走り出す先が、あの演出のように光に溢れたものであることを心の底から願わずにはいられない。
子役の演技がとりわけ素晴らしいのはもちろんだけど、あの絶妙な演技を引き出した監督&スタッフもすごいと思う。
正直、この題材で大火傷することなく撮れるのは是枝監督くらいしか居ない気がする。流石だ.....