観終わって、恐ろしくなった。
自分の思っていたことが悉く覆されていく。物事は多面的だとわかっていても、本質的に理解できていないのかもしれない、ということを突きつけられたような気がした。
子を持つ親として、早織が取る行動は決して不思議ではない。他方で彼女の持つ感覚は正しいのか。保利が行った判断と異なる判断に辿り着ける人がいるのだろうか。校長や教頭をあんな風にしてしまったのは誰なのか。
こどもたちはこどもたちで、思春期の入口に立ってどうしたらいいのかわからないことに対峙して戸惑い、時に間違う。
この作品は観る人によって見えざまが違うように思う。それはおそらく、自分の中に抱える「内なる怪物」とどう向き合うかは人によって違うから。