このレビューはネタバレを含みます
一つの出来事を
複数の視点で見ると、
全く違う景色が立ち上がってくる。
という構成自体は
さほど珍しいものではありませんが、
これを「学校といじめ」という、
身近な問題に当て嵌めたのが
今作のポイントでしょう。
とにかく、
主役の子供二人が驚くほどに
素晴らしかったです。
ミステリアスで、繊細で、
激しくて、脆い。
そして田中裕子の圧倒的な存在感。
彼女の怪物性が
ふわっと立ち上がってくる場面は
身震いする程の異様さです。
さらには安藤サクラの演技力!
第一部の健気な母親が、
第二部になると狂気を帯びた
モンスターペアレントに見えてくる。
怪物とは「異質なもの」の呼び名。
「怪物だーれだ?」
人間が本質的に持つ怪物性を
いつの間にか
剥き出しにしてしまう。
本作はそんな映画なのかもしれないと
ふと思いました。