普段はスコアはつけないのですが、怪物に関しては絶賛されてる流れに違和感があるのでつけます
是枝監督の演出と坂本裕二の脚本が完全に不協和音になっているなあと思いました
扱ってるテーマの繊細さに合わせて構成を編み、人物の機微を描くシーンを積み重ねていく必要があるのに、むしろテーマの繊細さに頼りきった演出ばかり目立って、これを「リアル」と言ってしまう危うさを感じます
1幕目の謎を2幕目、3幕目で明らかにしていく構成はあまりに説明的すぎるし、説明の通も脆く物語に対する良心も感じない...
ストーリー上、必要な悪もあるとは思うんだけど、描ききるつもりもない悪を書いちゃいけないと個人的には思う
じゃなかったらスカッとする漫画でも読んでればいいわけで
これまでの是枝作品は子役演出の妙があったから、センシティブなものも作品としてまとめることができていたけど、坂本裕二脚本のシニカルさとは相性悪かったのかなあと感じました