怪物探しの目線で見てしまったらすでに答えは画面に映し出されていた、そんな映画だった。その意味で、主要役者5名のビジュアル＋「怪物だーれだ」のコピーが載ったKVからは、観賞後新しい意味を見出すことができる。意義深い作品に思う。
撃ち抜かれるほどの感動、と言う訳では個人的にはなかったけども、構成・脚本がさすがによく練られていると感じたし、じわじわ響いてくる作品だと思う。今の時代、知らぬうちに自分が誰かの怪物になっていることも十分にあり得るのだと、誰かを救っているつもりが、他の誰かを傷つけている可能性もあるのだと、そんな警鐘を鳴らそうとしているように感じた。
主張しすぎずとも作品に適度な距離感で寄りそう坂本龍一さんの音楽を堪能しながら劇場で楽しむのをお勧めしたくなる作品。
