それぞれが満足のできない状況で大切にしているものがある。
愛する子供に幸せになってほしいシングルマザーと母の期待に答えられない長男、生徒を理解しきれない新米教師、父から虐待されクラスではいじめられる子ども、孫を交通事故で亡くした校長先生。
「怪物だーれだ」
それぞれの価値観に基づく視点で物語は進み、何気ない違和感が思いもよらない誤解を生む。
誰もが客観的に幸せな状況ではない中、「誰かしか手に入れることのできないものが幸せなのではなく、誰もが手に入るものが幸せだ」という校長先生の言葉が響く。
少しでも少年2人の将来が明るいことを願わないではいられなかった。