春陽

怪物の春陽のネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ある数日間を視点者をかえて見せるのと、謎解きの様な進み方でとても先が気になって面白かったし風景も良かった。だが、なんか保利先生1人の被害が大きすぎて、そして誤解が解ける訳でもなく、二人の生存ももやりで終わったのでスッキリはしなかった。

周りから固められたという事があっても保利の最初の態度は酷すぎだった。が、後の彼のターンを見た後だとなんか冒頭のシーンとの印象が合わない。それに、この先生はとても人気がある訳ではないがものすごく嫌われている訳でもないのに、湊と依里から不当に嵌められたのはたまたまだったとしても、他の生徒からも『そういう先生』扱いをされてしまった理由が分からなかった。実は依里がクラス内を操っていたなら分かるが、一部男子にイジメられているシーンしかないから、そういう訳でもない。(依里は、ちょっと達観しているというか少しズレた感じのする子ではあるが)他の生徒らは変な空気を読んでアンケートに答えたのかな。怪物が誰かというより、立場が変われば相手が怪物に見えるという感じなのか。クレームを入れる保護者、事なかれ主義の教員、何を考えているか分からない子供らなど、ある種の怪物なのかな。まぁ、田中裕子は普通に怪物だったが。

最近、視点者がかわる作品が多い気がする。このような当事者達の視点を鑑賞者は全部見れるから楽しい。自分の世界もこういう感じなんだろうな、他の視点からも見てみたいものだ。
春陽

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