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怪物のsatoのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.5
”怪物”のような、絶対的に間違っていた人間が本当にいたのか考えさせられるような映画だった。
この物語は三人の視点から全貌が明らかになるけど、多角的に描写されていることで違った見え方が出て来るのが特徴だと思う。特に担任の先生は不誠実な対応を繰り返していたけど、彼主体で見ると本意じゃないことで少しふて腐れていたのが意外だった。立場と考え方が変わるだけで相手が悪人にもなるんだなと実感した。
そして当事者である子供たちが、それぞれ見えない苦悩を抱えていたのが印象的だった。いじめや父親からの歪んだ教育に笑って耐えてる依里もそうだし、それに複雑な想いをもつ湊も大人が見えない所で苦しんでいたのが悲しい。湊の場合は母親の視点からだとまったく読み取れないから、余計ひとりでため込んでいたんだなと思った。
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