め

怪物のめのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.5

さすがの是枝大先生、今回も社会問題のバラエティパックすぎて笑った

3部構成とかホリセンが生徒思いの先生だとかクィアパルム賞の件とか前情報は全く知らずに行ったからまんまと術中にハマった気持ちいいー!
完全に湊はヤバい子どもだと思ったし、まともに対話すらできない教師たちにはイライラを超越して笑えたし

けど瑛太目線のターンに変わって一瞬でこの映画が何をどうやって伝えようとしてるのか悟った、誰もが怪物であり、誰も怪物ではない

ていうかこれ社会のよくある話でただの自分達の日常を描いてるだけじゃん、いい意味でも悪い意味でもそんな大層な話じゃない

就活で製作会社の面接を受けた時にどんなドラマを作りたいか聞かれて、似てるというのは烏滸がましいけどこの作品と本質的には一緒のもの、人間は多面的で誰かから見た誰かは他の誰かから見る誰かとまったく違う人物たり得る、主観性を排除してみたら全く違う世界が広がってるような作品を作りたいって言ってたことを急に思い出してハッとした。こんなに素晴らしい形で最強のクリエイターたちが自分が思い描いていたものを世に出して表現してくれて最高すぎた。上手く言えないけど

前半かなり不穏な空気が満ちてて一体なんなんだこの映画というかんじがすごかったけど星川くんの登場でガラッと雰囲気変わるのが凄い。11歳映画初出演であの演技、空気感を醸し出せるの天才だよ、、瞳のキラキラ感と純真無垢な立ち振舞からたまに覗く影に惹きつけられる。クールでミステリアスなかんじの湊と対照的なのも良い。

秘密基地というか2人だけのユートピアというか廃車の中の少年たちがとにかく綺麗で儚くて、ずっと2人だけの世界で笑っていてほしいと思ってしまった自分がいた
め