途中まで『羅生門』かなと思って観ていたが違った 羅生門が一つの事象が主観によって全然別のものに見えてしまう 何が真実か誰にもわからない を描いたのに対して、『怪物』が描いたのはそこではなかった
人には決して人に言えないことがある
自分が普通と違っていると気づいてしまった人には特に
自分を愛している肉親にでさえも打ち明けられないことがある
怪物は物語の中で何が真実だったのかをはっきりと描き出している
故にネタバレ厳禁の映画だ
事前に何かを読んだり、見たりしなくても、最後には伏線はキッチリ全て回収される
これはなに、どうなってるのと懸命に物語を追っかけている時間の至福を味わっているうちに、怪物の正体がくっきりと浮かび上がってくる
カンヌの脚本賞おめでとうございます