怪物のけいとのネタバレレビュー・内容・結末

母親・教師・子供の3視点で一つの事実が語られる構成だったけど、その視点から見える断片で解釈が変わってくるのが面白かった。登場人物はそれぞれ勝手な推察をするけれど、鑑賞者自身も同様に推察する側であるという体験が面白かったし、現代をよく表しているように思う。
子供視点のパートが見ていて苦しかった。いじめの描写がすごいリアルだったし、言語化が難しいけど子供の純粋な悪意のようなものを感じて嫌だった。子供にとっては学校が全てだし、変だと思われて仲間外れにされたくない気持ちもわかるので主人公たちを見ているのが本当に苦しかった。自分も気をつけないといけないけれど、無意識に発せられる言葉に潜む「普通」や「男らしさ」に子供が追い詰められるところもとても心に残った。大人に本当のことを言えなくて、嘘でごまかすところもすごいリアルに感じた。
校長の「誰にでも手に入るものが幸せ」は良い言葉だと思う。
ラストシーンが本当に綺麗だった。