理由は上手く表現できないけど、中盤あたりからただただ涙が止まらなくなった。
伏線が解けていくほど、登場人物の行動の意図がわかって状況はつかんでいけた。なのに話が進むほどに、人の本当の心というものがどんどんよくわからなくなってぼやけて遠くへ行ってしまうように感じた。
何にピントを合わせるかによるというか、今自分が焦点をあてているところは本当に正しいのかという気持ちになる。でも、全てにピントを合わせることはできなくて、必ずどこかはぼやけることになる。
「生まれ変わる」なんてないんだよ！と言って、少年二人がびしょぬれのまま、笑顔で草原を走っていった。柵が立てられ、立ち入ることが出来なかったはずの線路。そこにはもう柵はなく、明るく優しく二人を導くようにレールが敷かれている。彼らは楽しそうに走っていった。
