自分や誰かを守ろうと踠くほど遠ざかる真実、一向に共有できぬまま複雑に縺れる〝私事〟が人と人を容易に隔て不可解な怪物を誕生させてしまう…そんな愛情や信頼だけでは辿り着けない真偽の判断。未知が恐怖と共に浸透しながらも、視界や世界が広がれば不穏さえ解放への兆しとなる。面白い。
何が起こってるのか。断片を繋ぎ合わせ把握しようとしても事情という壁に遮られ見える範囲で判断せざるを得ない。しかも大人と子供となると更に疎通が難しくなる。と、特に序盤はそんな焦点の合わなさがホラー的な怖さまで漂わせてたし、本当に人間は不完全な生き物なんだと見せつけられる感覚だった。
得体の知れない世界で、それまで壁に遮られていた真実と静かに格闘する子供たちの姿がとても印象的だったし、湊と依里ふたりの感情と共に詳細が見えてくる展開も良かった。
ただ焦点を外させる意図は分かるけど断片がいちいち意味深過ぎたりw不穏を煽る為のクセ強めな人物描写はちょい過剰な気もした。
ラストのどっちにしても宙ぶらりんな感じも個人的にあまり好きではない。
