しゅう

怪物のしゅうのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
3.8
3章仕立てで、それぞれ湊の母親早織、湊と依里の担任教師の保利、そして湊の視点で語られる物語。

是枝節全開で語られる第3章は凄い引き込まれた。特に湊と依里の二人きりのシーンはどれも素晴らしい。

それだけに、作劇的な作意に満ちた前二章が余計に思える。依里の父親以外は、実のところ二人の関係性の障害にはなっていない訳で。

もし、羅生門スタイルを入れたかったのなら、大人達はあくまで背景にして、二人にとっての"社会"であるクラスメイト達の視点を描いて欲しかった。

例えば、湊の隣の席の女の子は何故雑巾を湊に渡したのか、彼女は性的に幼稚ないじめっ子達と違って二人の関係性に気付いていたのではないか、など周りの子供たちが二人をどう捉えていたのかをもっと観せて欲しかった。
しゅう

しゅう