怪物だーれだ。怪物とは誰か、なにか。考えさせられる作品。誰を主人公として見るかによって、ものごとの見え方が変わることをつくづく思い知らされる。偏った考え方やその押し付けも怪物のひとつか。
安藤サクラってすごいな、いつも綺麗でかわいいのに、本作ではちゃんと母親の顔で、その辺にいるおばちゃん感がすごい。「こんな学校のいる先生」って言い間違えたのは偶然？台詞？怒り慣れていない母親のリアルさがすごい。
永山瑛太もしかり。冴えない教師の顔、子どもたちを思う顔、ちょっと頼りない彼氏としての顔、全部演じ分けてる。
しかしなんといっても子役2人。演じているとは一切思わないくらい自然体の演技。特に星川依里くん役の柊木くんを個人的には絶賛したい。
うろ覚えだけど、
「幸せって誰かにしか手に入らないものじゃないよ。誰にでも手に入るものを幸せっていうんだよ」
「女のまた今度と、男の大丈夫だよは信用しちゃダメって教科書に書いてなかった？」
の台詞は印象的で、とても坂元裕二っぽい。坂元裕二脚本、今後もずっと追っていくと決めた。観客に結末を委ねるような、どちらにもとれるような終わり方。メリーバッドエンド？救いがある終わり方であってほしい。
あと、BGMとして流れていた不穏な音の正体が3幕で明かされたのもすごくよかった。
疑問点としては、通勤時にスーツケース使う人っているの？ということ。出張でもなんでもなく、毎日の通勤に。あと、なんであの場面で飴食べたのか？
余談。安藤サクラと野呂佳代が共演してるんだけど、生まれ変わったら…なんて話も出てきて、ブラッシュアップライフだ！ってちょっとニヤッとした。笑
