このレビューはネタバレを含みます
二人の世界がとにかくロマンチックすぎて泣いた…
JPOP映画の最高峰かもしれない。
わかりやすい構成と、わかりやすい伏線回収、誰でもどこかには絶対共感してしまう内容がそこここにちりばめられており、それでいてこの深みのある内容。
JPOPってこれだったのかと思わされた。
そして主題のロマンチックさよ。
見応えあった。良かった…。
担任は正直かわいそうだが、
主人公の二人の概念的死のあとの生まれ変わりの予兆のおかげで後味が良いのもポップです。
火災の日を基準に各登場人物ごとの主観が描かれる。
主観が食い違っていく一方、最後に明らかになる本当の事実。
自分の主観について考えさせられる一方、わたしには
思春期の複雑な感情、そこで生まれる二人の世界の肯定と、新しい道が開かれる希望が主題に見えた。
CMで見た「怪物だーれだ」という、まるで犯人探しのように聞こえた不気味なセリフは、主人公二人のいわば合言葉のような愛の言葉だった。
秘密基地(鉄道跡地?)に最初は閉ざされていたバリケードが嵐で飛ばされて、最後には開けるっていう二人の将来の暗示もわかりやすい隠喩でポップだった。
主軸の他にいろんな要素が散りばめられていて(シングルマザー、いじめ、虐待、性的マイノリティもしくはジェンダー、社会的に嘘をつかなきゃいけない社会人、二人にしかわからない世界を築いている人、愛のすれ違い、愛と社会的立場の関係性、信じて貰えないもどかしさ、自分が正しい筈なのにズレていく世界、人の多面性…)
誰が見てもどこかしら誰かしら共感してしまう部分があると思う。
そして主人公二人の子役の演技力!!!!
あとどう考えても性格悪そうに見えた校長、
校長と夫の面会シーンが、主人公の二人みたく二人だけの世界築いてて震えた。
この世界には他人にはわからない世界がいくつもある。
そして人の多面性に私たちはいつも救われているのだ。
ある種戦争とも言えるコロナ禍でこれを撮ったのめちゃ意味がある。