@品プリ
出演作はほぼ観てる安藤サクラ出演の作品で、しかも是枝監督、坂元さん脚本、しかも予告から非常に面白そうで楽しみにしてました。
結果もその期待を裏切らない出来だったと思います。予告から想像していたのとはちょっと違った気がしましたが....
是枝監督作品は
「そして父になる」
「海街diary」
「三度目の殺人」
「万引き家族」
「ベイビー・ブローカー」
に続いての鑑賞となります。どれも好きですが、本作が個人的にはno.1に躍り出た感じでしょうか。やはり坂元さんの脚本によってまた一味違うテイストに仕上がった感じがします。
安藤サクラの作品は「ある男」以来。ただ、ドラマで何回も人生をやり直すのを見ていたので、なんか息子が生まれ変わったら何になるんだろう？って言うシーンで、なんとなくそれを思い出してしまいました。すごく自然に実際にいそうなシングルマザーを表現しており、そしてそこから熱い母親の場面も有り。安定の名演技でした。また、3部構成のようになってる本作品、後半部分の主役を担っていた子役2人の演技は圧巻でした。末恐ろしい。
同じ出来事でも視点によってはこうも違うのだと言う描写が非常に上手かったと思います。最初はミステリーのように「怪物は誰？」かを探させながら、実際は怪物がいるわけではなく、「環境や状況、些細な言葉から人間は誰しも怪物になり得る」という事がテーマなのかと思いました。LGBTQの取り上げ方もそこまでそれだけにフォーカスして無いですし、不祥事をもみ消す学校に対する風刺や、銀河鉄道の夜へのオマージュなど、テーマ自体も様々な視点から色々な想像を観る人にさせる作りだったと思います。
1番最後の場面は2つの異なる解釈ができるリドル・ストーリー的な要素も有りました。私は2人は死んではいないのか？と解釈しましたが....それでも過去の是枝監督作品から比べると、終わった後のモヤモヤ感は少なかったかと。
あと、全体的に作品を盛り上げていたのは、間違いなく坂本龍一さんの音楽。天才ですねー。また、諏訪の景色の描写は非常にキレイで良かったと思います。火事のシーンもリアルでした
最後に個人的に1番刺さった言葉は、校長先生の言葉
「誰かにしか手に入らないものは幸せとは言わない。誰でも手に入るものを幸せと言うのよ」
