ふじたけ

怪物のふじたけのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
2.0
ステレオタイプな安っぽい人間像を各登場人物に着せ上げてしまった是枝・坂本・川村元気(日本映画界の諸悪の根源)の三者、そしてこの映画を評価したリューベン・オストルンドを筆頭とするカンヌの審査員たちは、よっぽどの間抜けか、市井の人々の関わりを忘れ、週刊誌やテレビが広める偏った人間像を信じるようになった可哀想な人間なのだろう。人間を会話のできない馬鹿な存在として切り取った是枝の下品な眼差し(安藤さくらのこれ見よがしな顔をドアップで捉えるのには驚かされた)には、かつてドキュメンタリーを回したものとは思えない暴力的な稚拙さが感じられる。成瀬巳喜男が描いたような人間のディテールのようなものは一切ない。これで今の日本、人間を描いているのだと自負している彼らの存在に恐怖する映画であった。(ただ子供のパートはそこまで悪くない)
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