しゅん

怪物のしゅんのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
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自分の中に愛せない物語と愛せる物語があって、例えば前者が『アクロス・ザ・スパイダーバース』だとすれば、後者が本作になる。この違いはなんなんだろう。本人にとって決定的に貴重な時間の蓄積が、身近な他者にとって不可視になっていること。その構造の物語化。

階段を映すシーンが多い。田中裕子が夫に会いに行くシーンは、『三度目の殺人』を想起させる。

是枝裕和、坂元裕二と同時に、川村元気の作家性を感じる。

…書き終わった後で、これは俗化された物語を一つ一つ潰していく過程が物語に似ている映画なのだと思った。
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