このレビューはネタバレを含みます
はっとさせられます。
印象的だったのは序盤の母視点パートです。
気になるのは、ホリ先生が謝罪中に飴舐める描写がありますけれど、その後のホリ先生視点になるとさすがにそういう人では無さそうな描き方されてたと思ったんですけど…。あれは母の感情が爆発して生まれた幻なのでしょうか?わたしが頭の中で怪物を生み出したのでしょうか?
母パートは本当に、え、こんな感じはさすがにやばい…引いちゃう…って先生たちに思っていたけれど、わたしも母視点の感情に飲まれていたなあと思いました。
けれど母としての愛がある故か…と、麦野母に想う。
子の心で言うと、
みなとがペットボトルを握って音を立てるところに共感が深かった。畳みかけられる質問の内容が検討違いすぎるけれど、自分の感情にも説明がつけれない。罪悪感や焦り、秘密、説明したとて理解や肯定を示されないんじゃないかという恐怖、あらゆる感情に支配される。
もうひとつ、依里が「気ぃつかうじゃん、親だし」って言葉に全て詰まっていた。この言葉を全世界に送り出してくれてありがとうございます。
最後は気持ちが救われた。
非常に素晴らしい作品でした。自分を肯定したふたり。作品としての厚みも素晴らしいと思いました。
日本での教育を受けたため、学校の体制など子供時代の記憶と一致し、共感も深かったので主観的になる箇所が多かった。(しかしスマホを使うこと、SNSを観てるあたりは数十年前とはかなり違うと思いました涙)
なので、別の視点、例えば他国での教育を受けたり生活圏にあった人が観た際の意見が聞いてみたいとも思いました。