同じ「出来事」が、関わる人それぞれの立場によって全く違う出来事に見えることを認識させられる映画だった。
母親の視点で物語が進行した後、多様な視点から回想することにより、一人の教師が理不尽に追い詰められていった真実が明らかになっていく。
その出来事の中に、小５の男の子が同性に好意を持ってしまう違和感への戸惑いを描いていることで、第76回カンヌ国際映画祭のクイア·パルム賞を受賞したのだろう。
長野県諏訪市で撮影されたが、廃線跡地や湖が見える小学校、街を見下ろす高台にある住宅など、ロケ地の風景も良かった。
