怪物のヨのネタバレレビュー・内容・結末

すごくショックを受ける映画だった……。
お母さん、先生、子供、それぞれの視点に立って見えてくる物事が全部違って、それぞれの視点でそれぞれに感情移入してしまい、何が正解だったのか分からなかった。
お母さん視点の時は悪役に見えた先生はすごく実直な子供思いの先生で、先生目線のパートになった時に、勝手に悪だと思って見ていた自分にショックを受けた。前半私が見えていた通り絶対悪であってくれよ……と切に願ってしまった。
お母さんより校長先生の方が子供の気持ちに寄り添えていたのかもしれない、と思わせる音楽室のシーンもショックを受けた。あんなに大切に子供のことを思っていても見えてないことは沢山あって、虐待して子供に何も語らせない親と結局同じように子供のことを分かってあげられない親になっている、という構図が残酷だった。
小学生って逃げる場所や手段がどこにもなくて、自分にも小学生時代があったことを思うとグロい。誰かを無邪気に逃げられなくさせて苦しめてるうちの1人だったのかもしれない。
最後のシーンが一番好きだ。閉ざされていたはずの線路の続きが、開放されているのできっと2人は死んじゃったのかな、と思う……。まだ小学生で、早すぎるよ、もっと別の道があったんじゃないの？とも思うし、死んで、生まれ変わらなくていい、とも思った。