おなべ

怪物のおなべのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
3.8
◉本当の「怪物」とは何か、考えさせられる作品。

◉監督《是枝裕和》×脚本《坂元裕二》×劇伴《坂本龍一》。

◉カンヌ国際映画祭にて〔クィア・パルム賞〕を受賞した作品。※クィア・パルム=LGBTQなど性的マイノリティに関連した映画に与えられる独立賞。

◉1つの事象に対し、見方、感じ方は人によって千差万別。その人の人生や育った環境によって様々な視点(バイアス)を持っている。そんな“視点”を巧く脚本に組み込み、人の本質を突いて見せた《坂元裕二》と《是枝裕和》に高評価。

◉予告編も巧い。観る前と観た後とでは、印象がガラッと変わる。観た人にしか判らないように演出した巧みな予告。

◉類似作品に、《リドリー・スコット》監督の『最後の決闘裁判』という作品がある。本作も秀逸な作品であるため、気になる人はぜひ観てみてほしい。










【以下ネタバレ含む】











◉本作を観て、本当の意味での“怪物”とは、誰もが心に持つ「偏見」であり、「正しさ」であると感じた。「アレが正しい」「コレが正しい」だから「アレコレに当てはまらない人は間違っている」という無意識の偏見や正義感が、“怪物”の正体なのではないかと。人は信じたいものを信じ、信じたくないものは見てみぬフリをする。或いは本当に見えていない事も…。人って難しい。
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