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怪物のNのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

“彼女が好きなものは”を観た時も日本や学校という狭い世界のクソさと遅さに絶望を感じたわけだけど、結局是枝監督と坂本裕二という日本のツートップがクィアを描いてもこの程度か…とがっかりしてしまいました。

まずクィア的な要素をネタバレ的に使ってるのも最悪だったわけだけれど、それが上映前にクィアパルム賞を取ってバレるという更に最低な状況の中、それでも彼等が描くんだからネタバレ的な要素以外にも魅力があるんじゃないかと期待を持って観ましたが、結局ネタバレ頼りのストーリー性も、最後を観客に委ねてしまうあのフワフワさせる感じとか、死をチラつかせる時代遅れ感とか、そんなもんですか。

“彼女が好きなものは”のレビューでも書きましたが、そりゃあ同性婚が合法化してない日本に「その先」なんてないのかもしれないけれど、あのふわふわとした美しさで誤魔化したラストを撮るのならば、監督自らの言葉でしっかりと今の日本の最悪さを語ってくれ。これ以上先が描けない状況なんだと。その責任くらい負ってくれてもいいじゃないか。

映像と役者たちの演技は最高でした。
あの音楽室のシーンとか、光の綺麗さとか、安藤サクラ、瑛太、田中裕子のホラーじみた演技とか。良い部分はたくさんあるのにそれを凌ぐ最低さを孕んでいて、嫌になっちゃうなぁ。

追記
でもこの映画を観た割とすぐ後にりゅうちぇるの一件があって、やはり日本でクィアの人達が生きていくのはこれほどまでに難しいのかとも思ってしまいました。死を感じざるおえないのか。でもそんな国ってもう未来もクソもないですよね?私はとても怒っています。
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